

KORG microSAMPLER
KORG microSAMPLER市場予想価格49,800円
■■■KORG microSAMPLER機材情報■■■
KORG microSAMPLERはKORG Microシリーズの一つ
microKORG、microKORG XLなどビンテージ機器を意識した
デザインであるのに対し、このKORG microSAMPLERは
斬新さと使いやすさに重点が置かれたアプローチが
なされていると思われます。
KORG microSAMPLERは久々に
サンプラーに重点が置かれたキーボードであるといえます。
近年、サンプラーといえば、AKAI MPCシリーズや
BOSS SPシリーズ、KORG ESシリーズなど
PADを搭載し、ドラムサンプラーとしての機能に特化した
製品が多く販売されています。
もちろん、各社のシンセサイザーにもサンプラー機能を搭載していますが
どれも、高価なラインナップで、このKORG microSAMPLERのような
低価格で鍵盤付きの本格的サンプラーはなかった製品だけに
期待が高まります。
PADによるドラムマシンの延長ではなく、キーボード搭載の
本格的サンプラーにmicroシリーズが挑戦したのは意義が大きいと思います。
個人的にも、長年サンプラーを使用してきましたが
PADはドラムなどのワンショットサンプルを扱うには
とても重宝しますが、多数のサンプルをプログラムしたい時や
音階を付けたときの分かりやすさや作業効率においても
キーボードで行う方が遙かに実践的であることは実感しています。
KORG microSAMPLERはサンプラーとしての機能は
もちろんですが、よりライヴパフォーマンスを重視した作りになっています。
単3電池による起動や、1.9kgという重量、サンプラーでありながら
リアルタイム製に優れた機能、押し間違えの少ないような形状の
ボタンを搭載するなど配慮がなされています。
それらもふまえた上でKORG microSAMPLERの
筆答すべき点は、サンプリングのプロセスが
非常に簡略化されていることだと思います。
基本的には、ロータリーノブで5種類のサンプリングモードを選択して
Samplingボタンを押し、割り当てたい鍵盤を指定
後はRecボタンを押してサンプリングするだけです。
これだけで演奏可能になります。
スタートポイントや、エンドポイントを指定することも必要ありません
さらにサンプリング時にサンプルの再生方式
「ONE SHOT、GATE、LOOP」を決定できます。
単発ドラムのためのノート・オフを必要としないONE SHOTサンプリング、
鍵盤演奏のための音の長さのコントロールが必要なGATEサンプリング
ループ素材をサンプリングするためのLOOPサンプリングが用意されています。
さらに、サンプリング方法も便利な機能が用意されており
先ほどのような、一番簡単な方法以外にも
「KEY GATE」サンプリング、「AUTO NEXT」サンプリングが用意されています。
KEY GATEサンプリングは、今までにはなかった新しいサンプリング方法で
鍵盤をRECボタンとして、割り当てたい鍵盤を指定して次々と
複数のサンプリングが行えるモードです。
「AUTO NEXT」サンプリングさらに進化したモードで
「KEY GATE」サンプリングを自動的に行うという物です。
ドラムのループなどを、サンプリングすると自動的に
単発サンプルにカットし、鍵盤に割り当てくれる機能です。
これらのサンプリングモードは、非常に便利な機能で、
作業効率はもちろんですが、偶然性による新しいアイディアも
期待できるサンプリング・システムであるとも言えます。
サンプリングのソースは、microシリーズではおなじみの
本体にマイクが付属されていることからも分かるように
マイクや オーディオCDなどの音声、本体で演奏中のサウンド
また、コンピューターを使用することでのWAV/AIFFファイルを
サンプルソースとして本体に取り込むことができます。
KORG microSAMPLERではこれらのサンプルを
16ボイス同時発音、48kHz/24kHz/12kHz/6kHzのサンプリング周波数、
REVERSE再生、NORMALIZE、TRUNCATEエディット、
そのままの音程でテンポを変えることができるTime Stretchなど、
サンプラーに必要な機能を備え、演奏、エディットがそれぞれ
非常にシンプルに行えるように構成されています。
気になるサンプリングタイムとサンプリング数ですが、
1バンクにつき37サンプル(最大8バンク 296サンプル)
本体内のフラッシュメモリーにサンプリング周波数48kHzモノラルで
最大約160秒まで録音可能と必要十分なスペックを持っています。
また、演奏を次々に重ねられるオーバーダブ方式を採用した
パターン・シーケンサーを装備。
それぞれのパターンは再生しながら切り替えることができ、
シームレスなパフォーマンスが可能です。
1バンク最大64000音(1パターン最大16000音)の記録、
バンクごとに16パターンを保存可能です。
さらに、エフェクトは同社KAOSS PADシリーズのエフェクトエンジンを
採用しておりディレイやコーラスはもちろん、リング・モジュレータや
グレイン・シフターを搭載しています。
加えてKAOSSILATORの機能の一つLooperをも装備し
合計で21種類のエフェクトを内蔵しています。
KORG microSAMPLERはインターフェイス面も
パフォーマンス相当に考えられており追求されている印象です。
PAD式サンプラーのような使い方や、鍵盤を利用して音程をつけて
演奏することや、サンプリング作業も鍵盤で行えるななど
必要な操作子は本体パネル上にレイアウトされていますので
直感的な操作を可能です。
また、鍵盤は黒鍵と白鍵の比率を調整したことで和音が押さえやすくなり、
速いフレーズの演奏もしやすいようタッチを追求し
格段に表現力が上がった新鍵盤、ナチュラル・タッチ・ミニ・キーボードを採用
特に今までのサンプラーでは無かった機能として非常に便利だと思うのは
各鍵盤にアサインされているサンプルの状態や、
エディット中の項目を鍵盤上部に並べたLEDの点灯状態で確認できる
点ではないでしょうか、視認性も抜群で素晴らしいアイディアだと思います。
また、携帯オーディオ・プレーヤーからもすぐにサンプリングできるよう、
マイク端子そばにスロットが用意されている点など細かな配慮が見られます。
KORG microSAMPLERは本体だけでも十分な
機能を持っていますが、フリー・ダウンロードが可能なエディター・ソフト
「microSAMPLER Editor/Librarian」を使用することで、
自分だけの膨大なサンプリング・ライブラリを管理することができます。
本体に、メモリカードなどの外部記録媒体のスロットがありませんので
サンプリングしたデータはUSB経由でサンプル・データを
PCへバック・アップする必要があります。
この点は、唯一惜しまれる点です。
もちろんPCから本体へ流し込んだり、シーケンス・データの
バック・アップを取ることもできます。
さらに、コンピュータ上のWAV/AIFFファイルの
インポート/エクスポートにも対応していますので
サンプリングCDなどの利用も可能です。
KORG microSAMPLERの実際の出音を聞いた感想ですが
やはり、microシリーズと共通するクリアな音質であるといえます。
サンプリングしたサウンドも、キャラクターの変化は少なく
48kHzのサンプリング周波数と相まって高音質であると思います。
サンプラーというとAKAI MPCシリーズが打ち立てたPAD付きの
インターフェイス+シーケンサーまたは、ソフトサンプラーが
主流ですが、そこに全く異なるアイディアとパフォーマンスを
提供するKORG microSAMPLERは非常に魅力的で
KORG社のブランドイメージをもあげる程の意味を持っている
商品だと思います。
nanoシリーズやmicroシリーズなど魅力的でアイディアに優れた
製品を出し続けている、KORG社を今後も注目していきたいと思います。

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■■■KORG microSAMPLERスペック■■■
■鍵盤:37鍵(ナチュラル・タッチ・ミニ鍵盤、ベロシティ付き)
■バンク:8ユーザー・バンク(A~H)、1 ROMバンク
■サンプリング・タイプ:5 Type (LOOP/ONE SHOT/GATE/AUTO
NEXT/KEY/GATE)
■サンプリング・ソース:AUDIO IN (MIC/ LINE)/ Re-sample
■サンプリング・レート:48kHz/24kHz/12kHz/6kHz
■サンプリング時間:1バンクあたり約160秒
(モノ/サンプリング・レート48kHz時に159.7秒)
■同時発音数:最大14音
(ステレオ/モノラル問わず。タイムストレッチ再生時は7音)
■再生サンプリング・レート:48kHz
■パターン数 1バンクあたり16
■最大記録音数:1バンクあたり最大64000ノート
(1パターン最大16000ノート)
■分解能:96ティック/4分音符
■パターン小節数:1~99
■レコーディング方法:リアルタイム・レコーディング
■端子:MIDI IN、OUT、USB B端子
■電源:DC9V、電池使用時=単3形アルカリ電池6本、電池寿命=約3時間
■外形寸法:516 (W) x 238 (D) x 65 (H) mm
■重量:1.9kg
※この記事は2009年9月11日に作成しました。
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