2022年
12月
05日 16:03
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Aberrant DSP - SketchCassette II レビュー 4トラック・カセット・レコーダーをエミュレートしたあらゆるテープ・サウンドを再現するローファイ・エフェクト・プラグイン
Aberrant DSP - SketchCassette II レビュー
4トラック・カセット・レコーダーをエミュレートしたプラグインエフェクト、Aberrant DSP『SketchCassette II』
Pluginboutique様より製品をご提供を頂きましたのでレビューして行きたいと思います。
この場をお借りしてPluginboutique様並びに関係者様に感謝致します。
Aberrant DSP『SketchCassette II』は4トラック・カセット・レコーダーにインスパイアされ、ローファイ・エフェクトを幅広く導入できるように設計されています。
SketchCassette IIは、微妙な効果から破壊的なエフェクトまで、あらゆるテープ・サウンドを、柔軟まコントロール性を提供しつつ再現しています。
12のテーププロファイル、複雑なピッチモジュレーション(ワウ・フラッター)、サーチレーション、ドロップアウト、ヒスノイズ、ノイズ・リダクションのエンコーディング圧縮の再現などにより、パワフルで高度にカスタマイズ可能なローファイ・プロセッサーとしてご使用いただきます。
それでは早速各部を見ていきたいと思います。
Tape Type
SketchCassette IIには12種類のテープ周波数応答プロファイルが含まれています。
様々なテープの種類と品質を確にモデリングされています。
上段ボタンでタイプI(ノーマル)、タイプII(クローム)、テープIV(メタル)テープを選択でき、4つ目のボタンを押すとオプションでフィルタリングを完全にバイパスすることができます。
2行目にはテープの品質のためのオプション、 CHEAP、VALUE、STANDARD、MASTER、が選択でき、合計で12種類のテープモデリングを選択することができます。
タイプIテープは、最も一般的で安価なテープであり、低域のレスポンスが良く、高域が抑えられています。
タイプIIのテープは一部では、タイプIよりも有意に優れた高域の特性を持っています。
場合によっては、高域がを少しブーストしたようなサウンドとなります。
タイプIVのメタルテープは最もフラットで周波数特性も広く、カセットテープの中では最高の音質を実現しています
。
クオリティ・セレクションでは、各タイプごとに4つの異なるプロファイルを提供しています。
その各タイプもの実際のテープからモデリングされています。
高品質でハイエンドなレスポンスを実現していますが、各プロファイルには独自の特徴があります。
それぞれに特徴があるので、ぜひ全部試してみてください。
AGE
カセットは年を重ねるごとに高周波数を失っていきます。
AGEは経年劣化を再現するパラメーターで、スライダーをWORM側に上げると、独自のローパスフィルタリングがかかります。
このエフェクトはドロップアウトと相性が良く、リアルなエージングサウンドを実現します。
このエフェクトはドロップアウトと相性が良く、リアルなエージングサウンドを実現します。
HISS
カセットテープの最も特徴的な点の一つは、ヒス・ノイズを加えることができます。
実際のカセットヒスノイズのスペクトルプロファイルに基づいたノイズがヒス
ノブで追加されるようになっています。
96 db~-30 db の範囲で信号に合わせて調整することができます。
Saturation
Saturationノブを上げると、カセットテープに録音する際の圧縮やソフトクリッピングによる歪みを加えることができます。
右側のボタンで2つのサチュレーションアルゴリズムを切り替えることができ、
タイプAに比べタイプBはより過酷で多くの歪みが加わります。
このコントロールにはゲイン補正が含まれていマス。
Dropouts
カセットテープが経年劣化したり、摩耗したりすると、テープに保存された信号が失われ、「ドロップアウト」が発生します。
ここでは、最大数秒間、信号が大幅に減少します。
DEPTHコントロールはドロップアウトの全体的な強さを調整し、
Intensityコントロールでは、増加するにつれて、より長く、より大きなドロップアウトが追加されます。
WIDTHノブは、アンプリチュードとアンプリチュードの間のセパレーション量をコントロールします。
Wow + Flutter
こちらもカセットテープの老朽化がもたらす効果で、一般的に「ワウ」と「フラッター」と呼ばれています。
古いカセットプレーヤーはオーディオ信号の速度が一定しないため、低周波を発生させピッチが不安定になります。
'ワウ'は低域の変調を表す用語で、'フラッター'は、より高い周波数の変調を表す用語です。
このプラグインを使うとのピッチを変更することができます。
FMモードでのワウ・フラッターセクションでは、Flutter Rate ノブの横にあるモジュレーションメーターでピッチをモジュレーションするかどうかを変更することもできます。
モジュレーションの波形は鋸波に加えて、正弦波またはランダムな信号とWowモジュレーター用の逆ソー波形を使用しています。
正弦波変調の結果、ビブラートのような効果、ランダムノイズ変調は、テーププレーヤーが最も問題のある時にどのように振る舞うかに近く、平滑化された鋸波が周期的に発生します。
ピッチ・ベンディングのパルステープの誤動作をエミュレートするように設計されたモジュレーション・エフェクトに加えて、Sketch Cassette IIには様々なカセットの典型的なサウンド用途を広げるようなエフェクトが用意されています。
DAW内で設定したテンポに合わせてフラッターをかけ、各レートのコントロールを音符に関連した値(1/2、1/4、1/5、1/4点)に変化させこともできるようになっています。
モードでは、モジュレーションのどの部分をビートに合わせるかを選択することができます。
フランジングノブは、ワウ・フラッターモジュレーションされたシグナルとドライシグナルをミックスし、楽しいフランジング効果を生み出します。
深いワウ・フラッターのモジュレーション・オプションと組み合わせることで、様々な種類のサウンドを作り出すことができます。
最後に、Wow and FlutterセクションにはFM (Flutter Modulation)モードがあります。
信号を変調する際には、ワウモジュレーターがフラッターモジュレーターのレートを変化させます。これにより、全く新しい可能性エフェクトを得ることができると思います。
NR Comp
当時のほとんどのカセットデッキには、再生時のテープヒスを軽減するための「ノイズリダクション」が搭載されていました。
これを悪用すると、ノイズリダクションエンコーディングをオンにして録音し、デコードをオフにして再生すると、明るくて「キラキラした」圧縮された信号になってしまいます。
Sketch Cassette II の NR Comp はこの効果をエミュレートし、ブライトネスコントロールで効果的な高周波ブーストを調整し、アマウントコントロールで全体的な強度を調整することができます。
MIX
ミックスセクションには 2 つのドライ/ウェットミックスノブがあります。
テープ・ミックス・コントロールでは選択したテープ・プロファイルの強度を下げることができ、コンプ・ミックスではパラレル・コンプレッサーとしてノイズ・リダクション・コンプレッション・エフェクトを使用することができ、必要に応じてより極端な設定を調整することができます。
テープ・ミックス・コントロールでは選択したテープ・プロファイルの強度を下げることができ、コンプ・ミックスではパラレル・コンプレッサーとしてノイズ・リダクション・コンプレッション・エフェクトを使用することができ、必要に応じてより極端な設定を調整することができます。
さらにDAWのオートメーション・コントロールを使用して、30のパラメータをすべて変化させることができ、サチュレーション、ワウ&フラッター、フランジング、ドロップアウト・デプス、インテンシティなどの連続的なコントロールは、再生中に変更することができ、スムーズな結果を得ることができます。
もちろんプリセットも用意されていて、5つのカテゴリーに、61のファクトリープリセットがあります。
自然なサーチュレーション効果から極端なものまで、SketchCassette II で何が出来るかがわかるプリセットが用意されています。
また、ユーザー・カテゴリーがすでに設定されており、ユーザー・プリセットとして自分の設定を保存したり、サブカテゴリー・フォルダーを作成することも可能です。
ドラッグやミックスに温かみを加える自然なアナログテープエフェクトから、SFX的な過激な効果まで、幅広い用途で使える本当に素晴らしく、楽しく使えるカセットテープエミュレーションだと思います。
価格も比較的安価ですのでぜひ導入を検討してみて下さい。
システム要件
Windows
Windows7以降
VST3とAAX 64ビットのみ
MAC
MacOS 10.8 Mountain LionからmacOS 10.15 Catalinaまで
AU、VST3、AAX 64ビットのみ
筆者が音楽制作とビデオトラックを制作したUNDRGRND Sounds - RedlightのPlugin Boutique Japan公式CMです。
実際にプラグインの効果を確認出来ますのでご覧下さい。↓
こちらはコメントなしのバージョンです。
じっくりサウンドのみのを聞きたい方はこちらをどうぞ ↓