2022年
08月
22日 18:14
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Audio Damage - Dubstation 2 レビュー 精密にモデル化された往年のアナログBBD回路をエミュレーションしたダブ・ディレイ・プラグイン
Audio Damage - Dubstation 2 レビュー
Audio Damage『Dubstation』
アナログBBD回路をエミュレーションしたダブディレイプラグイン
Pluginboutique様より製品のご提供を頂きましたのでレビューして行きたいと思います。
この場をお借りしてPluginboutique様並びに関係者様に感謝致します。
商品概要
ダブ・ディレイ・プラグイン!
Audio Damage『Dubstation』オリジナルのダブ・ディレイ・プラグイン!
Audio Damageにより丹念にモデル化されたBBD(Bucket Brigade Device)によるアナログディレイは、10年以上もの間、そのサウンドのためのプラグインとして何千ものプロダクションで使用されています。
オーディオ特性に関してはデジタルディレイのほうが圧倒的に有利ですが、動作原理上、周波数帯域は狭くなり、リピートするたびにディレイ音が変化して行きます。
デジタルディレイとは似て非なるものですが、それこそがアナログディレイの独特な魅力となっています。
デジタルディレイとは似て非なるものですが、それこそがアナログディレイの独特な魅力となっています。
Dubstation 2はDAWに往年のBBDアナログ・ハードウェア・ディレイの魅力を再現できます。
追加新機能
Dubstation 2では、好評だったDubstationに新機能を追加しました。
LFOとサチュレーション・コントロールの追加により、Dubstation 2はヴィンテージのBBDディレイを完全にエミュレートし、左右のディレイ・タイムとピンポンを別々にコントロールできる新しいデュアルモードにより、ディレイ・エフェクトのための素晴らしいプラグインに進化しました。
それではさっそく見ていきたいと思います。
プリセット
まずはプリセットを選択して効果を確かめてみましょう。
中央部上のプリセット名が表示されているところをクリックするとプリセットを選ぶ画面に変わります。
投稿時には9種類のプリセットが用意されていますので、これを元にユーザの楽曲に合わせて調整していけばいいと思います。
個人的に初期画面に戻れなくなりちょっと悩みましたが、「CLOSE」を押すと戻ります。
左セクション
こちらのセクションでは6つの項目を調整することができます。
Input Drive
NPUT DRIVE ノブは、プラグインに入る信号のレベルをコントロールします。
ほとんどの場合、デフォルト設定の0dBのままで信号を増幅せずに通過させますが、コントローラやホストシーケンサーのオートメーション機能などを利用する際には活用できると思います。
High and Low Cut
HIGH CUTノブは、信号を4KHz~8KHzの範囲で減衰させるローパスフィルターをコントロールします。
通常のシンセサイザーなどに搭載されているローパスフィルターと同じではなくアナログディレイ回路をシミュレーションしたものですので、フィルタの動作周波数は固定ではなく、遅延時間が長くなると高域のレスポンスが低下します。
LOW CUT
LOW CUTノブは、信号を100Hz から 1.5KHzの範囲で減衰させるハイパスフィルターをコントロールします。
このフィルターは古いディレイの低音レスポンスの悪さを改善し、特に初期のジャマイカン・ダブ・ミュージックでよく聞かれるエコーがノブの位置を約12時に設定すれば、ダブ・リミックスが再現されるようになっています。
Low-Frequency Oscillator
ダブステーションのディレイは、LFOで周期的に変化させることができます。
LFOはダブリングやコーラス、ピッチスゥープなどの効果を出すのに便利です。
LFO Rate ノブは、LFO のスピードをコントロールします。
LFO Depth ノブは、LFO がディレイタイムにどの程度影響するかをコントロールします。
Saturation
SATURATIONノブは後述するディレイ・フィードバック信号を含めたディレイ音にアナログのようなディストーション効果を足すことが出来ます。
ノブを反時計回りに全開にしておくとバイパス状態になりますが、ノブを時計回りに回すと、歪みの量が増えます。
中央セクション
中央のセクションではディレイタイム等を設定することができます。
Time Controls
Delay Timeノブと X2 Time スイッチは、ディレイの時間を制御します。
X2 Time スイッチが左の位置にある場合、TIME ノブはディレイタイムを最小4ミリ秒から最大1000ミリ秒(1秒)まで変化させます。
右の位置にある場合はディレイタイムが2倍になり、TIMEノブは最小8ミリ秒から最大2000ミリ秒(2秒)の範囲で設定できます。
実際にディレイ音を聞いてみるとディレイ信号は、元の信号よりも高周波数の含有量が少ないことに気がつくと思います。
Delay Timeが長くなると、高域が劇的に減少します。
これは、実際のBBDアナログ回路を用いた遅延の周波数応答特性が忠実にモデリングされています。
TEMPO SYNCスイッチをオンにすると、DubstationはDAWホストからのテンポを使用します。
(同期機能に対応するDAWソフトが必要です。)
(同期機能に対応するDAWソフトが必要です。)
このスイッチがオンの場合、Delay Timeノブは拍子(1/32から1/1)の範囲で調整することができます。
例えば、「1/8」 は、8分音符のディレイとなります。
もちろんテンポの変化に追従します。
Feedback
FEEDBACKノブは、ディレイにフィードバックされるディレイ音の量を調整します。
ノブを反時計回りに完全に回転させると、ディレイ音はほとんどフィードバックされません。
ノブを時計回りに回すと、より多くのディレイ音フィードバックされ、回しきるとエコーは無限に繰り返され、時間の経過とともにさらに大きくなり、最終的には歪んだ音になります。
危険なほど大きな音になりますのでお気をつけ下さい。
Loop and Reverse
LOOPスイッチをオンにすると、Dubstationのオーディオがエンドレスで再生されます。
これはFEEDBACKノブを全開にするのとは異なります。
アナログディレイ回路のような劣化はなくオーディオはそのまま再生されます。
これを利用することで、他のコントロールをオーディオループとして使用し、新しいオーディオをオーバーダビングすることができます。
REVERSEスイッチは、ソース信号が入った後に、スイッチを押すとディレイ信号が逆再生させます。
スイッチを押した状態でソース信号が入った場合は通常再生されます。
FEEDBACKノブがある程度上になるか、LOOPスイッチがオンになっているときに効果的です。
右セクション
MIX
MIXノブは、プラグインの出力信号の中のディレイ信号とオリジナル(ドライ)信号の量を調整することが出来ます。
OUTPUT LEVEL
OUTPUT LEVELノブは、Dubstationの出力信号を設定します。
MIDIハードウェアコントローラやVSTホストのオートメーション機能を使って出力レベルを上げたり下げたりすることで、エコーを発生させることも出来ます。
Mode Switches
Dubstationの全体的な動作を制御する2つのスイッチがあります。
MODEスイッチSINGLEまたはDUALを選択できます。
シングルモードではモノラルディレイとして機能し、デュアルモードではステレオディレイとして機能します。
DUALモードでは、Delay Timeノブが2つ現れステレオで使用する場合は、各チャンネルに個別のディレイラインが使用されます。
PING-PONG
PING-PONG スイッチを押し込むと、ディレイ間の信号のルーティングが変更されます。
2つの出力チャンネル間を行ったり来たりするディレイ音を生成します。
機能的には普通のディレイプラグインという印象ですが、この価格でBBDアナログ回路を再現した暖かいディレイサウンドが得られるのは非常に価値のあるプラグインだと思います。
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