2023年
05月
02日 22:18
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Karanyi Sounds - Minipol レビュー ユニークなスマート・ランダム機能が特徴の低価格、高品位な80年代のクラシック・アナログを意識したバーチャルシンセ
Karanyi Sounds - Minipol レビュー
Karanyi Sounds - Minipol レビュー
ユニークなスマート・ランダム機能が特徴の低価格、高品位な80年代のクラシック・アナログを意識したバーチャルシンセ
Pluginboutique様より製品をご提供を頂きましたのでレビューして行きたいと思います。
この場をお借りしてPluginboutique様並びに関係者様に感謝致します。
Karanyi Soundsによる初のバーチャル・インストゥルメント『Minipol』はパワフルなバーチャル・アナログ・シンセサイザーで、ユニークなスマート・ランダム機能を搭載しています。
クラシックなアナログキー、80年代のベース、重厚なサウンドスケープ、ハウス・スタブ、モダンなPlucks、アナログエフェクトをすぐにデザインすることができます。
まずはプリセット聞いてみて下さい。
↑画面上部の名をクリックするとリセットを選択する画面に切り替わります。
「Basic」「Keys」「Keys(Cinematic)」「Pads」「Plucked & Shorts」「Sundscape」ni
カテゴリー分けされた世界中の音楽プロデューサーやサウンドデザイナーによって作られた数百ものファクトリーサウンドがあります。
エレクトロニック・ミュージックのためのプロフェッショナルなベース、キー、パッドや、ゲーム・オーディオやフィルム・スコアリングのためのキー、サウンドスケープ、プラッキング・サウンドなどがこのライブラリに収録されています。
まずはこれらのサウンドをチェックして、Minipolの自由度の高さを実感してみてください。
次はシンセサイザーとして主な構成です。
各オシレーターのコントロールはすべて垂直に配置されています。
それぞれのオシレーターには4種類の波形が用意されており、ボリューム、セミトーン、オクターブトランスポーズ、パンを個別に調整できます。
各列の上部に表示されているグラフィックは波形を表しており、画像をクリックして上下にドラッグすることで切り替えることができます。
形状はSine、Triangle、Saw、Squareから選択できます。
上部の赤いノブは、それぞれのオシレーターのゲインをコントロールし、各オシレーターサウンドをミックスすることができます。
下部の青いノブは、各オシレーターの微調整をコントロールします(最大50ctまで)。
その下にある緑のスイッチはオクターブコントロールで、1オクターブ上、下、または通常の設定に切り替えることができます。
さらにその下にはパンコントロールがあります。
Minipolはこの4つのオシレーターのほかに、ノイズジェネレーターとサブオシレーターが装備されています。
ノイズレイヤー(NOISE)はサウンドにミックスするためのゲインコントロールを備えており、サウンドに入ってくるノイズの周波数をコントロールできる「カラー」コントロールがあります。
サブオシレーター(SUB)は、3つのフレーバーを持つサンプルベースのサブレイヤーです。
この3つのサブレイヤーはすべて、ハードウェアのOberheim OB-6からサンプリングされており、純粋なLowSawサウンドを生成して、あなたのサウンドに本物のアナログのような深みを加えます。
3種類のサンプルが用意されており、緑のチェックボックスで選択できます。
サブタイプは以下の通りです。
Direct Sub (モノラルのSAW音)
Subtle Sub (35%デチューンユニゾンのステレオSAWレイヤー、40%パン・スプレッド)
Fat Sub(50%デチューンのユニゾン・ステレオSAWレイヤー、100%パン・スプレッド)。
このセクションの下部右側には、2つのコントロールがあります。
グレーのノブは、サウンドに追加されるベロシティ・レスポンスの量を設定し、0(フラットなサウンド/ベロシティ・コントロールなし)から100(ダイナミックなベロシティ・コントロール)までの範囲で設定できます。
最後に、「Wow」コントロールは、全体的なピッチをLFOでモジュレーションすることで、オシレータが通過する際に微妙な「テープ」効果が得られます。
SHAPE & MOVEMENT SECTION
中央部のセクションには、オシレーターをエディットするためのいくつかのセクションがあります。
ラウドネス・エンベロープ、エンベロープ・コントロールを備えたフィルター、そしてフィルターのゲインをコントロールできる2つのLFOが、それぞれ用意されています。
一番上には2つのADSRエンベロープがあり、1つ目はラウドネス(ボリューム)を、2つ目はフィルターをコントロールします。
真ん中のフィルターセクションは、Moogスタイルのラダー4ポールフィルターが搭載されています。
HP(ハイパス)、BP(バンドパス)、LP(ローパス)というムーグスタイルのMoog4極フィルターを切り替えることができます。
HP(ハイパス)、BP(バンドパス)、LP(ローパス)というムーグスタイルのMoog4極フィルターを切り替えることができます。
これらのフィルターの周波数範囲は60Hzから20kHzになります。
「Amnt」ノブは、フィルターエンベロープがフィルターに影響を与える量をコントロールし、
「Freq」ノブは、いわゆるカットオフ・フリケンシー、「Q」ノブは、レゾナンスを調整します。
フィルターセクションの下には2つのLFOがあり、1つ目はフィルター用、2つ目はアンプリチュードに影響を与えます。
これらのLFOは、それぞれの左にある黄色のボタンでON/OFFでき、「Sync」ボタンでスピードコントロールをミリ秒単位で設定するか、シンセのBPM(DAWホスト)で設定するかを変更できます。
EFFECTS SECTION
画面の右側には、いくつかのエフェクト・オプションがあり、黄色のボタンでオン/オフを切り替えることができます。
これらは上から下に向かってルーティングされており、以下のようになっています。
Master Filter
中央のセクションと同じコントロールを持つ、サウンドをさらにエディットするための2つ目のマスターフィルターです。
こちらのフィルターセクションもMoogスタイルのラダー4ポールフィルターを搭載。
Delay
モノラルディレイまたはピンポン(左から右に跳ね返る)ディレイの2つのオプションがあり、DAWホストまたは設定ページのBPMに同期します。
Amountノブは、ディレイ信号のウェット/ドライミックスをコントロールし、Feedb ノブは、ディレイのフィードバック量をコントロールします。
Chorus
フェイザー、フランジャー、クラシックコーラスなどの効果が得られるコーラス・エフェクトです。
Rateノブはコーラスのスピードを、Widthノブは信号間の距離を、Feedbノブはコーラスのフィードバックを、Delayノブはコーラスが始まるまでの時間を設定することができます。
コーラス・エフェクトの極端な設定を行うと、奇妙なフェイザー・サウンドやFM音源のような効果が得られます。
Tone
全体的な音を調整するEQコントロールです。
Low(60Hz、ベルカーブ型のEQでブーストまたはアッテネーションが可能)
Mid (2 kHz, ベルカーブEQでブーストまたはアッテネーター)
High (8 kHz, ブーストまたはアッテネーションのためのハイシェルフEQ)
の3バンドでゲインは-20dB~+20dBの調整が可能です
の3バンドでゲインは-20dB~+20dBの調整が可能です
また、コントロールの組み合わせによって生じる過酷な歪みを低減するためのゲインコントロールも備えています。
またゲインコントロールは、過激なフィルター等により予期せず歪んでしまった場合にも全体的な音量を増減させる追加のゲインとして使用できます。
Space
スペースセクションは、高品質にサンプリングされたルーム、ホール、非日常的なスペース、特殊効果などを豊富に取り揃えたカスタムリバーブライブラリです。
以下のような代表的なリバーブハードウェアから60のパッチを慎重にサンプリングして作成されています。
Lexicon 480L (480)
Lexicon PCM70 (P70)
Lexicon PCM90 (P90)
Lexicon 300 (L300)
Bricasti Design M7(M7)
Eventide H3000(H3k)
TC Electronic Reverb 6000(TC6)
Quasimidi Quasar(QRS)。
Eventide H6の各種ソフトウェア・エフェクトとStrymonのペダルを組み合わせたカスタム・リバーブ(DK)
※()内はプラグイン上での表記
※()内はプラグイン上での表記
リバーブタイムは設定できませんが、リバーブタイム別にL(Large)、M(Medium)、S(small)に分類されていて用意されていますので問題はないと思います。
2つのノブは、それぞれドライシグナルとウェットシグナルをコントロールします。
最後にこのバーチャル・インストゥルメントの特徴でもある「SMART-RANDOM BAR」について見ていきたいと思います。
RANDOMIZERS
Minipolの心臓部ともいえる、スマート・ランダム・バーです。
これは単に確率的なコントロールではなく、パッチを素早く編集して新鮮さを保つための非常に効果のあるツールさと思います。
インストゥルメントの底面を横切るように、各セクションに並んだこれらのカラーボタンがあります。
インストゥルメントの底面を横切るように、各セクションに並んだこれらのカラーボタンがあります。
これがMinipolのスマートなランダムコントロールセクションで、短時間でクリエイティブな可能性を広げる実験ができます。
これらは基本的にすべて「ランダム化」ボタンですが、特定の色分けされたコントロールにリンクしています。
各コントロールのランダム化パラメータを慎重に設定しているので、ランダム化ボタンを押すだけで、常に新鮮でありながら音楽的なサウンドを得ることができます
いちばん右端の四角いボタンは、「すべてをランダム化する」ボタンで、まったく新しいサウンドを生み出すことができます。
パッチを作成する際にランダマイザーボタンのみを使用し、イメージに近いサウンドが出たら必要に応じてエディットして調整していけば良いかと思います。
各セクションごとにランダマイザーボタン用意されています。
例えば、赤い丸いボタンは赤いノブだけをランダム化します。
左のセクションでは各オシレーターのゲインコントロール、中央ではエンベロープコントロールです。同様に、青いボタンは関連セクションの青いノブをランダム化し、緑のボタンは緑のスイッチをコントロールします。
左側の波形ボタンは、各オシレーターが使用する波形形状をランダムにします。
また、灰色のノブと黄色のボタンは、このランダムコントロールの影響を受けません。
そのため、ベロシティカーブを変更したり、チェーン内の特定のエフェクトをオン/オフしたりするには、これらの設定を手動で変更する必要があります。
これらのランダム化オプションをさまざまに組み合わせて使用することで、シンセのサウンドデザインの可能性や思いもよらないサウンドを出すのに役立ちます。
また、うまく機能していると思う部分はそのままにして、変更可能だと思う部分をランダムにすることもできます。
このようにして作られたサウンドは、冒頭でご説明したプリセットウインドウ内の下部にあるボタンで追加することが出来るようになっています。
MinipolはMacとWindowsでVST3、Audio Unit、スタンドアローンの各バージョンがあり、Ableton、Cubase、Logic、Studio One、Reaperなどの主要なDAWで動作します。
クオリティの高いサウンドエンジン、わかりやすいデザイン、直感的なワークフローが主な特徴です。
さらにMinipolはCPUへの負担が非常に少なく、素晴らしいサウンドを生み出すために必要なコントロールとエフェクトが必要最小限に効率よくデザインされている印象です。
デモムービー
筆者が音楽制作とビデオトラックを制作したKaranyi Sounds『Minipol』のPlugin Boutique Japan公式CMです。
実際にプラグインの効果を確認出来ますのでご覧下さい。↓
こちらはコメントなしのバージョンです。
じっくりサウンドのみのを聞きたい方はこちらをどうぞ ↓