2022年
12月
03日 00:08
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Cherry Audio - Memorymode レビュー 80年代に最も優れたポリフォニック・プログラマブル・アナログ・シンセサイザー「Memorymoog」を再現
Cherry Audio - Memorymode レビュー
【約33%OFF】PluginBoutiqueにMemorymoogシンセサイザーにインスパイアされた、Cherry Audio『Memorymode』が特価セール中!
Pluginboutique様より製品のご提供を頂きましたのでレビューして行きたいと思います。
この場をお借りしてPluginboutique様並びに関係者様に感謝致します。
商品概要
Cherry Audio『Memorymode』は、80年代に最も優れたポリフォニック・プログラマブル・アナログ・シンセサイザーのひとつである伝説のシンセサイザー「Memorymoog」をベースにしています。
1982年に発売された「Memorymoog」は、その豊かでパワフルなアナログ・サウンドで、一躍有名になりました。
この製品は、オリジナルのサウンドや機能を損なうことなく拡張し、オリジナルにあった信頼性、メンテナンス性、チューニングの問題を解消しています。
ユーザー・インターフェースは、オリジナルのテンキーとコマンド・ナンバーに加えて、高速でシンプルな操作性のポップアップ・メニューと、改良された数値表示ウィンドウを採用し、合理化と簡素化が図られています。
Memorymodeは、オリジナルの3オシレーター・ボイス・アーキテクチャーを極限にまで正確に再現し、憧れのラダー・フィルター回路を正確に実装しています。
さらに、オシレーター・ミキサーは、オリジナルと同様に、レベルを上げると緩やかにオーバードライブし、重厚なサウンドを生み出します。
オリジナル・サウンドの特徴であるボイシングやモジュレーションに加えて、Cherry Audioは現代の音楽制作者に向けてクリエイティブで便利な機能を多数追加しています。
MemorymodeのLFO、アルペジオ、ディレイの各エフェクトには、ワンボタンでテンポを同期させる機能が搭載されているほか、フィルターやアンプリチュード・ベロシティ・センシティビティによって、まったく新しい表現が可能になっています。
また、独自のDriftパラメータにより、チューニングの精度を連続的に調整することができ、完璧にチューニングされた状態から、熟成されたルーズな状態、またはその中間の状態にすることができます。
表現力豊かなコントローラー・パフォーマンスを可能にするMPEにも対応し、ステレオ・フェイザー、ステレオ・アンサンブル、テンポシンク・エコー、リバーブ・セクションなど、Memorymodeの高品質なエフェクトがパッチに最後の搭載されています。
自分でサウンドをプログラミングするのが苦手な人のために、Memorymodeには600以上の魅力的なプリセットが用意されています。
これは、業界のベテランシンセサイザー・プログラマーの真のドリームチームによって作成されたもので、非常に柔軟な音色を提供しています。
Cherry Audioのサウンド・デザイナーのオールスター・チームは以下の通りです。
Julian "J3PO" Pollack(ジュリアン・ポラック)
優れたピアニスト、キーボーディスト、プロデューサー、オーディオエンジニアです。
ジャズの作曲家、演奏家としてのキャリアに加えて、J3POはClavia、Softube、Dave Smith Instrumentsのサウンドバンクやプリセットを制作しています。
Dave Polich, サウンドデザイナー、音楽プロデューサー、ソングライター。
マイケル・ジャクソン、フリートウッド・マック、ザ・キュアーなどの大物アーティストのサウンドを手がけ、ヤマハ、コルグ、ローランド、デイブ・スミス・インスツルメンツなどのシンセサイザーのファクトリープリセットを何千種類も作成しています。
Huston Singletary
ベテランのサウンドデザイナー、プロデューサー、映画作曲家、ポッドキャスターです。
Huston Singletaryは、Toontrack、Izotope、Synthogy、Kilohearts、Roland、Alesis、Spectrasonics、Abletonなどの人気製品にサウンドを提供しています。
それでは詳しく見ていきたいと思います。
それでは詳しく見ていきたいと思います。
ボイス・アーキテクチャー
Memorymodeの全体的なレイアウトは、クラシックなモノラルやポリのシンセサイザーを経験したことがある人には馴染み深いものでしょう。
シグナルパッチは、インストゥルメントの中央にある3つのオシレーターから始まります。
それぞれのオシレーターは、レンジ、ランプ、トライアングル、パルスの波形を選択でき、パルスにはパルス幅のコントロールが付いています。
オシレーター1にはSync 2 to 1ボタンがあり、オシレーター2と3には周波数の微調整コントロールがあります。
オシレーター3には、サブオーディオのローレンジボタンと、ノーマルなキーボードコントロール電圧を切り離すためのキーボードコントロールボタンがあり、これらはオシレーター3をモジュレーションソースとして使用するためのものです。
3つのオシレーターは、ミキサー部の独立したレベルコントロールに送られます。
ミキサー部にはノイズレベルコントロールもあります。
3つのオシレーターをミックスしたミキサー信号は、VCF(Voltage Controlled Filter)に送られます。
VCFからの信号は電圧制御アンプ(VCA)に送られ、VCAのADSRエンベロープ・ジェネレーターによって振幅が調整されます。
VCFにもADSRエンベロープ・ジェネレーターがあり、ダイナミックなフィルター・トーン・シェイピングを行います。
信号は、搭載されているPhaser、Ensemble、Echo、Reverbの各エフェクトを経て、マスター・ボリューム・ノブとアウトプットへと送られます。
また、Memorymodeには、LFOモジュレーションとボイス・モジュレーションという2つの独立したモジュレーション・セクションがあります。
基本的な違いは、LFOモジュレーションがモノフォニックであること、つまり1つの独立した低周波オシレーターがすべてのボイスに均等に適用されるのに対し、ボイスモジュレーションはオシレーター3やそのボイスのフィルター・エンベロープ・ジェネレーターを使って各ボイスを個別にモジュレーションすることです。
それぞれの方式は、用途に応じて使い分けられます(クロスオーバーもあります)。
トップツールバー&プリセットブラウザ
Memorymodeの上部にある紫色の帯には、プリセットの読み込みと保存のナビゲーション、「アンダーザフッド」の設定、ズームとフォーカスのコントロールなどがすべて含まれています。
新規-新しい空のパッチプリセットを開きます。未保存のパッチを開いている場合や、保存済みのパッチに手を加えた場合、その状態で保存するかどうかを尋ねるダイアログが表示されます。これにより、編集した未保存のパッチを失う可能性を大幅に減らすことができます。
オシレーター
オシレーターはオクターブ:16'、8'、4'、2'の標準的なオルガンフッテージの設定で各オシレーターには、可変のパルス波、ランプ波、三角波が含まれています。これらは任意の組み合わせで同時に使用することができます。
またMOOGシンセサイザーの特徴として、オシレーター3は LOWボタンを押すことによりサブオーディオレンジ的に設定することができ、ボイスモジュレーションセクションでオシレーター3をモジュレーションソースとして使用する場合に便利です。
さらにオシレーター3はキーボードコントロールをオフにすることによりキーボードのコントロール電圧がオシレータ3から切り離されます。
これにより、オシレーター3をモジュレーション・ソースとして使用する際に、オシレーター3の周波数を一定に保つことができます。
また、オシレーター1には「Sync 2 To 1」ボタンを押すことにより、VCO1がVCO2の波形の開始点を強制的にリセット(Sync)します。
その結果、Modulation/Voice ModulationのデスティネーションをOsc 2に設定し、Filter Contourノブを上げることで、オシレーター2のピッチをスイープしたときに、カーズの名曲「Let's Go」の引き裂くようなハーモニクスサウンド、または90年代ノーダウトの「Just A Girl」のような効果が得られます。
ミキサー
こちらのミキサーセクションで、3つのオシレーターの信号レベルと、Memorymode のノイズジェネレーターの音をミックスします。
Level 1/2/3で各オシレーターの音量レベルを設定します。
Memorymoogの特徴であった、レベルを4以上の値を設定すると、緩やかなオーバードライブがかかるのも忠実に再現されています。
VCF & エンベロープジェネレーター
Memorymodeのフィルターは、70年代から80年代のMoogシンセで有名になったクラシックな24db/octのローパス・フィルターをモデルにしています。
カットオフ周波数の設定を最大値から下げていくと高域が除去され、結果的に音が鈍くなります。
ラダーフィルターは、肉厚でファットなサウンドで有名です。
CUTOFF
高域の減衰が始まる周波数を20Hzから24,000Hzの範囲で設定します。
Emphasis(レゾナンス)
「Emphasis」は、一般的にはレゾナンスと呼ばれています。
Memorymodeのフィルターは完全に自己発振型で、極端な設定ではサイン波ジェネレータとして使用できます。
効きが強烈ですのでレゾナンスを高く設定すると、大音量が発生するので注意が必要です。
Contoured Amount
Contoured Amountコントロールは、フィルターエンベロープジェネレーターのモジュレーションをカットオフ周波数に適用します。
これにより、おなじみのオートフィルタースイープが可能になります。
KB Track
キーボードで音階を上げると、カットオフ周波数が上昇していき自然な音色を作るために調整します。
Slope
フィルターの性質上、カットオフ周波数の上下で周波数が「落ちる」ことになります。
Slopeは、この傾斜の急峻さを調整します。
クリックすると、傾きが浅く明るい音色の12dB per/octaveフィルターと、傾きが急で暗い音色の24dB per/octaveフィルターが選択できます。
(レゾナンスノブを上げると、より顕著な特徴が現れます)
なお、オリジナルのMemorymoogのフィルターは24dB per/octaveのみでした。
フィルター・エンベロープ・ジェネレーター
フィルターセクションには、カットオフ周波数をコントロールするための専用のADSRエンベロープ・ジェネレーターが用意されています。
VCFセクションとVCAセクションの間には両方に適用される、主にエンベロープに関わる設定をするセクションが用意されています。
Return To Zero
アタックフェーズでボイスが再トリガーされた場合、通常、新しいノートは現在のアタック電圧レベルで開始されます。
Return To Zeroボタンを押すと、アタック電圧が0ボルトにリセットされます。
Unconditional Contour
無効にすると、エンベロープ・ジェネレーターは、キーが離されたときにのみリリース・フェーズに入ります。
有効にすると、ノートはアタックフェーズを経てすぐにリリースフェーズに移行します(ノートが保持されていてもいなくても)。
これにより、アタック/リリースまたは「AR」エンベロープが効果的に作られます。
Keyboard Follow
キーボードで高い音を出すと、アタック、ディケイ、リリースの時間が短くなります。
これは、アコースティック楽器の動作を模倣するためのアイデアとして昔からある機能です。
Release
これをオフにすると、エンベロープ・リリース・ステージが無効になります。
シンセになぜこのコントロールがあったのかはわかりませんが、オリジナルのMinimoog、Memorymoog、Sequential Circuits Prophet-5などに合った機能です。
VCA & エンベロープジェネレーター
MemorymodeのVCAセクションには、専用のコントロールはありませんが、専用のADSRエンベロープ・ジェネレーターが用意されています。
ADSRのコントロールの他に、エンベロープがキーボードのベロシティによってどの程度振幅に影響を与えるかを設定する「Velocity Amount」がようにされています。
ゼロに設定すると、キーボードのベロシティは振幅に影響を与えず、最大に設定するとコントロール範囲が広がります。
アウトプット
こちらのセクションには、マスターボリュームと出力用VUメーターの他に、オーバーロードを防ぐために透明なリミッターと現代のポップミュージックで聴かれる、より現代的なEQカーブを適用する「Modern」ボタンが用意されていいます。
主にテクノミュージック風のソリッドな音色にしたい場合はこのボタンを押すと効果的だと思います。
逆にロック系などの太い音色にした場合はこのボタンは使用しない方が良いと思います。
チューニング
楽器全体のチューニングを5半音強上下させるマスターチューンとランダムなチューニングドリフトをすべてのオシレーターに独立して適用し、よりリアルなアナログキャラクターを実現するDriftノブが用意されています。
本当の意味でのMEMORYMOOGのピッチの不安定さを求めるのであれば、Driftを最大すれば、当時のMEMORYMOOGが実際にどのような音を出すのかを知ることができるとおもいます。
キーボード・モード & ディスプレイ
Memorymodeでは、最大16個のポリフォニック・ボイスを同時に演奏することができます。
Keyb Modeセクションでは、ボイスのアサイン方法や、グライド、デチューン、ベンドデプスなどを調節します。
Valueウィンドウには、現在操作されているパラメータの情報が表示されます。
ノブを回すと2つの数字が表示されます。
左側の数字は現在のサウンド・プリセットに格納されているパラメータ値、右側の数字は現在のノブの位置です。
これにより、パラメータを保存されている値に戻すことが容易になります。
On/Offタイプのボタンは、クリックすると現在の状態が表示されます。
Poly、Mono、Num Of Voices、Arpeggio Mode and Rangeなど、複数のオプションのポップアップメニューがあるボタンは、マウスをロールオーバーすると現在の選択項目が表示されます。
これにより、ボタンをクリックしてポップアップメニューを表示しなくても、現在の設定を確認することができます。
アルペジオ
アルペジオでは、コードの各音を個別に、1オクターブ以上にわたって昇順または降順に演奏させることができます。
Hold、Sync、Rateノブ、Mode、Rangeなどのパラメーターが用意されています。
エフェクト
Memorymodeには70年代のクラシックなストンプボックスのフェイザーや、アンサンブル、エコー、リバーブが用意されています。
MIDIコントローラーの設定と「MIDI」タブ
Memorymodeは内部および外部のハードウェアコントロールを割り当てることで、パッチにまったく新しい次元のコントロールと音楽性を加えることができます
MIDIタブでは、すべてのコントローラーの割り当てを確認したり、調整したりすることができます。外部ハードウェア・コントローラーをメモリーモード・コントロールにアサインしたりすることも出来ます。
たとえば、ローパスフィルターのCutoff Frequencyノブ(右側のフィルター)にハードウェアのスライダーコントロールを割り当てることが簡単にできるようになっています。
Memorymodeは、オリジナル楽器の驚くべきサウンドとフィーリングを、ビンテージ・オリジナルのほんのわずかなコストで再現し、Memorymoogのパワーと音楽性のすべてを、誰もが手に入れられる価格で提供します。
■主な機能
- 正確に再現されたラダーフィルター(12/24dB/オクターブのスロープを選択可能
- オリジナルを忠実に再現したの3つのオシレーター・ボイス・アーキテクチャー
- 最大16ボイスのポリフォニー
- 業界のベテランがプログラミングした600以上のプリセット
- 最大6つの同時出力が可能なボイスモジュレーションセクション
- 改良されたアルペジオ・セクション(テンポ・シンク付き)
- アナログの臨場感を高めるドリフトコントロール
- テンポに同期したLFO
- 鍵盤ごとに最大48個のオシレーターを搭載したデチューナブルなユニゾンモード
- 単一鍵盤のコードメモリーモードの改善
- 迫力のある低音と透明感のある高音を実現するモダンボタン
- 高度に最適化されたコーディングにより、極めて低いCPU負荷で高いパフォーマンスを実現
- ワンクリックで操作できる高度なUI拡大機能
- 包括的なMPEサポート
- スタジオ品質のフェーザー、アンサンブル、テンポシンク機能付きディレイ、リバーブエフェクト
- すべてのコントロールに対応するフルMIDIコントロールとDAWオートメーション
動作環境
Mac
MacOS 10.9以上(Rosetta 2によるM1プロセッサ対応)
クアッドコアプロセッサー推奨
8GBのRAMを推奨
AU、VST、VST3、AAX、スタンドアロンアプリケーション(さらにMPEにも対応
64ビット
Windows
Windows 7またはそれ以上
クアッドコアプロセッサー推奨
8GBのRAMを推奨
VST、VST3、AAX、スタンドアロンアプリケーション(+MPEサポート)
64ビット
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