2022年
12月
28日 17:07
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Audio Damage - Discord4 レビュー 「H910 Harmonizer」を再現したピッチシフターからMultiエフェクターへと進化したプラグイン
Audio Damage - Discord4 レビュー
Audio Damage『Discord4』
「H910 Harmonizer」を再現したピッチシフターからMultiエフェクターへと進化したプラグイン
Pluginboutique様より製品をご提供を頂きましたのでレビューして行きたいと思います。
この場をお借りしてPluginboutique様並びに関係者様に感謝致します。
Audio Damage社の『Discord4』はEventide社の名機「H910 Harmonizer」を再現する形で2004年誕生しました。
その後、独自のサウンドプロファイルを持つマルチエフェクト・プラグインへと進化しましたが、2010年に発売されたDiscord3が最後のバージョンとなっていました。
その後8年の間、Audio Damageは、Eurorackモジュールの設計・制作のためにソフトウェア開発を中断していました。
しかし、彼らはソフトウェアへの愛を再燃させたようで、多くのクラシックなプラグインが改訂されています。
Discord4のように、最新の高解像度ディスプレイに対応するためにUIを一新したり、機能性を向上させたりしています。
Audio Damageは、これらの新バージョンを現在の所有者に大幅な割引価格で提供しています。
最新のプラグインのUIではビジュアル要素をレンダリングする際に、静的な画像ではなく、数学や描画コマンドを使用することで、プロシージャルなUIを実現。
プラグインの右下をクリックすると、UIのサイズを自由に変更することができます。
Discord4のデザインは、クリーンでモダンな印象を受けます。
暗い色のオーディオ・プロセッシング・セクションと明るい色のモジュレーションやミキシング・コントロールを明確に区別するためのカラースキームによって助けられています。
まずはPRESETでこのプラグインの効果を試してみてください。
画面右上の3本線のマークをクリックするとプリセットの画面が現れます。
画面右上の3本線のマークをクリックするとプリセットの画面が現れます。
Discordにはプリセットが内蔵されており、その機能を実演したり、自分の作品にインスピレーションを与えたりすることができます。
このプリセットブラウザー左側のスクロールリストに利用可能なプリセットが表示され、プリセット名をクリックするとその設定が読み込まれます。
もちろんユーザが設定した値をセーブしたり読み込んだりすることも出来ます。
それではエフェクトの詳細を見ていきたいとおもいます。
もちろんユーザが設定した値をセーブしたり読み込んだりすることも出来ます。
それではエフェクトの詳細を見ていきたいとおもいます。
信号は左から右へと流れ、ピッチシフターから始まり、ディレイとフィルターセクションを経て、リバーブとパノラマというコンポーネントに至ります。
フィードバック・パスにリバーブを追加したことは、サウンド・デザインの可能性を大きく広げるものであると思います。
リバーブのサイズ、カラー、ドライ/ウェット・ミックスを調整するノブと、リバーブの現在の音を無限に持続させるフリーズ・ボタンがあります。
一方、新しいパノラマ・コントロールは、より実用的なものとなっています。
ここでは、左右のシグナルチェーンを個別にパンニングしたり、入れ替えたり、あるいは両方をセンターにしてモノラル出力にすることで、ステレオの幅をコントロールすることができます。
Discord4の目玉と言えるピッチシフターは、3つの独立したアルゴリズムで構成されています。
Eventide H910とH949をモデルにしたオリジナルのDiscordアルゴリズムの「VINTAGE」モード、よりモダンなシフトサウンドのための「MODERN」モード、そして実験的なエフェクトのための「グラニュラー」モードです。
それぞれのモードには入力素材に応じた特徴があり、幅広い機能を備えています。
P1とP2のアルゴリズムは、シフトエフェクトのバッファサイズを自在にコントロールでき、入力信号に合わせてシフトを微調整したり、サウンドエフェクトをかけたりすることができます。
次はディレイセクションです。
TIMEノブにて各ディレイは0~2000msec(2秒)の範囲で設定できます。
SYNCスイッチをクリックするとDAWテンポを使ってディレイタイムを設定することができます。
範囲は、1/32から2/1拍数の後に「T」がつくのは三連符です。
曲のテンポが変わっても、ディレイタイムを調整する必要がありません。
ディレイタイムを短くすることで、少量のピッチシフトによるコーラスやダブリングの効果を得ることもできます。
左右のディレイタイムを少しずつ変えていくと、ワイドなステレオ・コーラスにもなります。
REGENノブは、再生レベル、つまりピッチシフターにフィードバックされる出力信号の量をコントロールします。
ピッチシフターにフィードバックされる量です。フィードバックの経路は、ディレイライン、フィルター、リバーブを経て、ピッチシフターに戻ることに注意してください。
フィードバック量を大きくするとプラグインが自己発振し、面白いノイズ効果が得られます。
X-REGENノブは、2つ目のフィードバック経路をコントロールします。このノブを上げると、信号の一部がもう一方のチャンネル信号の一部が他のチャンネルの入力に送られます。
例えば、右チャンネルのX-REGENノブを動かすと、右チャンネルの出力信号が左チャンネルの入力にフィードバックされます。
このチャンネル間のフィードバックは、跳ね返るようなディレイ効果、厚みのあるコーラス、より複雑なピッチシフト効果などが得られます。
LFO1とLFO2と書かれた小さなノブは、LFOによるディレイタイムの変化度合いをコントロールします。
ノブが中央の位置にある場合、LFOはディレイタイムに影響を与えません。
ノブを時計回りに回すと、対応するLFOがディレイタイムを増加させ、反時計回りに回すとディレイタイムを減少させます。
Discord4にはローパスとハイパスのフィルターがあり、これはシグナルチェーンの中でディレイラインの後に搭載しています。
これらのフィルターを調整することで、ピッチシフトされた信号やディレイされた信号の音色を変えることができます。
例えば、ローパス・フィルターを使って「暗い」音を、ハイパス・フィルターを使って「明瞭な」音を作ることができます。
モジュレーション・セクションでは2つのLFOにより、LFOのレベルを左右のチャンネル・パラメーターに割り当てることができるので、柔軟性に優れています。
スキューとワープのコントロールや、現在の波形を表示するビジュアル・ディスプレイなど非常に使いやすくなっています。==。
また、LFOの波形は可変で、正弦波、三角波、矩形波の間でスムーズに変化するように設定出来るようになっています。
この "フレキシブルLFO "が、従来のものよりも多くの波形を生成することは間違いありません。
しかしながら、ランダム波形があればさらに面白い使い方ができると思いますので、その点は残念なところです。
最後に、信号経路全体にソフトなサチュレーションとリミッターを追加・改良し、全体的なサウンドの向上とビンテージ風の温かみを加え、DAWのチャンネルをオーバーロードする恐れなく、極端なフィードバック実験ができるようにしました。
■主な特徴
ピッチシフティング
Discord4には、ビンテージ、クリーン、グラニュラーの3つのアルゴリズムを持つシフターが搭載されており、それぞれのスタイルでピッチシフティングを行うことができます。
バッファ・サイズ・コントロール
P1(Vintage)とP2(Clean)のアルゴリズムには、ピッチシフト効果を微調整するために、32~2048サンプルのバッファサイズコントロールがあります。
ディレイ
フィードバック、クロスフィードバック、洗練されたバンドパスフィルターを備えた、テンポシンクまたはフリーランのディレイ。
リバーブ
フィードバック・パスにシンプルなステレオ・リバーブを追加し、"揺らぎ "の効果やさらなるサウンドの探求が可能です。
モジュレーション
テンポシンクと任意の波形を持つ新しいFLFO(Flexible Low-Frequency Oscillator)を2つ搭載し、わずか3つのコントロールで無限に近いモジュレーション・シェイプを実現します。
トゥルーステレオオペレーション
Discord4は真のステレオ・シグナル・パスを持ち、左右を完全に独立してコントロールすることができ、ステレオ幅のパノラマ設定も可能です。
MIDIノート・コントロール
MIDIノート入力により、6オクターブのピッチシフトをコントロールできます。
新設計のGUI
ベクターベースのリサイズ可能なユーザーインターフェース
プリセット
クロスプラットフォームなXMLベースのプリセットマネージャー
■システム要件
Windows
Windows 8.1以降およびa(64ビットのみ)
VST 32/64-bit
VST3 32/64ビット
AAX 64ビット
Mac
macOS 10.12以上(64ビットのみ)
VST 32/64-bit
VST3 32/64ビット
AAX 32/64ビット
AudioUnit 32/64-bit
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