2022年
09月
27日 21:20
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Audionamix - IDC Instant Dialogue Cleaner レビュー 人工知能(AI)アルゴリズムを用いた業界標準の環境ノイズ除去プラグイン 他のツールでは対応できないノイズ除去にも使えそうです。
Audionamix - IDC Instant Dialogue Cleaner レビュー
業界標準の環境ノイズ除去プラグイン
Audionamix『IDC Instant Dialogue Cleaner』中!
商品概要
アナログのスペクトルバンド処理、デジタルのノイズフィンガープリントシステム、そして最近では人工知能(AI)アルゴリズムを用いたノイズ/スピーチの検出と分離など、様々なアプローチと技術が長年にわたって開発されてきました。
この高度化するスピーチトラック改善ツールの最新が、Audionamix『IDC Instant Dialogue Cleaner』といえます。
映画やテレビのロケ、ラジオの街頭インタビューなど、コントロールされたスタジオ環境以外でスピーチを録音する際に、長年にわたって問題となるのが、不要なバックグラウンドノイズです。
多少のバックグラウンドノイズは、聴覚的な背景を設定するのに役立つため、通常は良いことですが、話している内容の明瞭度を低下させるほどの大きさや邪魔なものである場合には問題が生じます。
Audionamix社は、IDCが「複雑な干渉、風、鳥や虫、車や飛行機の干渉、余裕のある録音など、一般的なオーディオの問題に対処するのに優れている」とアナウンスしていて、ビデオ編集者、ダイアログ編集者、ラジオ制作スタッフなど、映画や放送業界での使用を目的としたツールであると思います。
IDC(Instant Dialogue Cleaner)
IDC(Instant Dialogue Cleaner)は、従来のSVC(Speech Volume Control)に代わるもので、DNN-AI(Deep Neural Networks Artificial Intelligence)を用いて録音内の音声を検出し、そのレベルを背景音とは別に調整することができるというものです。
従来のSVCシステムでは、クラウドサーバー上でオーディオをリモート処理するために、インターネットへのライブ接続が必要でしたが、IDCは完全に自己完結型のプラグインです。
洗練されたシステムであるにもかかわらず、ユーザーインターフェースは4つのコントロールのみと非常にシンプルにまとめられています。
ユーザーの視点から見ると、iZotopeのRX6やRX7に搭載されているダイアログ・アイソレート・モジュールのコントロールと非常によく似ています。
IDCは、必要に応じて完全に自動化することもできます。
右上にはバイパスボタンがあり、下部には出力レベルスライダとステレオバーグラフメーターが水平に配置されていますが、これらは信号処理によるレベル変化を補正するために必要なものです。
ウィンドウの中央には、3つのメインダイアログプロセッシングコントロールが配置されており、大きなロータリーノブの両側にカーブしたスライダーが配置されています。
中央の大きなノブは、(不要な)バックグラウンド・ノイズを、+24dBから完全にオフの範囲で直接変更します。
任意の時点で適用されている減衰/ブーストの量は、ノブの中央に数値で表示されます。
右側のスライダーでは、音声のレベルを±24dBの範囲で個別に調整することができ、左側のスライダーではAIアルゴリズムの強さを変更することができます。
高い値を設定すると、アルゴリズムがより多くのバックグラウンドノイズを除去するようになりますが、不自然な音声になりがちですので注意が必要です。
一方、低い値を設定すると、スピーチの保存性は高まりますが、ノイズ除去の全体的な効果は低下します。
従来のノイズを学習して除去するデノイザーとは異なり、IDCはダイアログの完全性を損なうことなく、背景の干渉を低減して音声を分離し、風、部屋の音、鳥や虫、車や飛行機の音などの複雑で変化に富んだ背景音など、他のツールでは対応できない場合にも成功する場合があるので試して見てもいいと思います。
ただし、バックグラウンドノイズを完全に除去するのではなく、明瞭度を向上させることを期待している場合に限ります。
発電機の音、エアコンの音、遠くの交通音など、かなり安定した連続した背景音が多い場合に、IDCが最も効果を発揮するように感じました。
IDCは、VST、AU、AAX Native、AudioSuiteの各フォーマットで、MacとWindowsの両方のシステムに対応しています。
このプラグインは、44.1kHz~192kHzのサンプルレート、16~32ビットのビット深度をサポートしており、プラグインの設定を完全に自動化することもできます。
主な特徴
- ノブを回すだけで瞬時にダイアログをクリーンアップ
- クラウドレスでリアルタイムに音声を分離する技術
- VST2/VST3、AAX Native/AudioSuite、AUの各プラグインフォーマットに対応
- クリーンアップ(最大+/-24dBのゲインコントロールが可能)
- 従来のデノイザーでは対応できなかった複雑な可変ノイズにも対応
- プラグインの設定を完全に自動化
- 強力なAI技術
- IDC 1.5の新機能