2022年
12月
31日 17:02
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Kilohearts - Phase Plant レビュー ジェネレーター、エフェクト、モジュレーターを自由に組み合わせて好みのシンセを構築できるモジュラータイプのシンセサイザープラグイン

Kilohearts - Phase Plant レビュー
Kilohearts『Phase Plant』
Pluginboutiqueより製品をご提供を頂きましたのでレビューして行きたいと思います。
この場をお借りしてPluginboutique様並びに関係者様に感謝致します。
プラグインを使用して制作したサウンドとビデオを作りました。
実際にプラグインの効果を確認出来ますのでご覧下さい。↓
商品詳細
サウンドデザイナーの夢をかなえるモジュラータイプのシンセサイザー
Phase Plantは、音楽プロデューサーとサウンドデザイナーのために開発された、数々の賞を受賞したセミモジュラーソフトシンセです。最高品質のプロセッシング、クリエイティブな自由度、直感的なワークフローの独自な組み合わせにより、すぐに驚くべきパッチを作成することができます。ジェネレーター、モジュレーター、エフェクトの無限の組み合わせを探って、自分だけのオリジナル・サウンドを発見し、磨きをかけることができます。可能性を想像してください。
オリジナルのシンセサイザーを作る
Phase Plantのオープンモジュラーアーキテクチャは、コンパクトなシンセから複雑で進化したパッチまで、自由にデザインすることができ、直感的に使える楽しい環境を提供しているとのことです。
サウンドジェネレーター、エフェクト、モジュレーターの3つのセクションに分かれていて、UVIのシンセ・サンプラーFalconを意識したようなデザインですが、Phase Plantの特徴は、そのシンプルさだと思います。
複数のパラメータページを使用する多くのシンセとは異なり、ほとんどすべての機能がきちんとした1画面のUIに収められています。
複数のパラメータページを使用する多くのシンセとは異なり、ほとんどすべての機能がきちんとした1画面のUIに収められています。
音源(ジェネレーター)
音源(ジェネレーター)は、アナログオシレーター、ノイズジェネレーター、サンプルプレーヤー、ウェーブテーブルオシレーターの4つのジェネレータータイプの中から好きなモジュールをロードすることができます。
アナログオシレーターモジュールは、Kiloheartsのシンセサイザー「kHs One」を元に構築されているようで、そのサウンドは実証済です。
ノコギリ波、矩形波、三角波、サイン波が用意されていて、ディレイ、ホールド付のADSRエンベロープジェネレーターが搭載されています。
オシレーターシンクも搭載されていて、矩形波にはパルスワイズ・モジュレーションが可能です。
さらに、モジュールそれぞれにパンニングとゲインを調整出来るようになっています。
ノイズジェネレーターは、ステレオのコントロールだけでなく、サウンドの色を調整するためのフィルターを持っています。サンプルプレイヤーは、Ableton LiveのSimplerに似たデザインで、ルートノートとスタート位置の調整、ループの設定と調整が可能です。
Wavetableオシレーターは、既存のWavetableを編集したり、サンプルをWavetableに変換するために使用できる柔軟なエディター(別のポップアウトウィンドウを必要とする数少ないUI要素の1つ)を装備しています。
各モジュールには、ピッチ、ハーモニック周波数、シフトを調整するためのコントロールが装備されています。
各モジュールには、ピッチ、ハーモニック周波数、シフトを調整するためのコントロールが装備されています。
面白いのは、設定によってはオシレーターを逆回転させることができるようになっています。
また、Phase Plantの先進的なウェーブテーブル・エディターを使って、独自のウェーブテーブルをデザインすることも可能です。
このような機能により、1つのシンセの中で、サウンドの組み合わせを自由に作成し、オリジナルの シンセサイザーをデザインするように、音作りを行えるようになっています。
モジュラーシステム「Snapin」と互換性のエッセンシャルエフェクトを搭載
すで好評を得ている同社のモジュラーシステム「Snapin」のセットアップを採用しており、シンプルで効果的なプロセッサ・モジュールをロードして組み合わせることができます。
他の「Snapin」ミニプラグインを読み込んで使うこともできるようになっています。
他の「Snapin」ミニプラグインを読み込んで使うこともできるようになっています。
エフェクト・セクションは、3つのレーンに分かれています。
これらのレーンは自由にルーティングすることができ、パラレルまたはシリアルエフェクトの様々なセットアップを可能にします。
複雑なアンビエントサウンドやアナログスタイルなど、サウンドバリエーションを追加するのに最適なエフェクトだと思います。
様々なエフェクトが用意されていますが、「Snapin」追加ミニプラグインを購入することで拡張することも出来るようになっています。
Phase Plantの他の部分と同様に、エフェクトの主要なパラメータもモジュレートすることができます。
その結果、エフェクト・システムの「アドオン」の性質にもかかわらず、3つのレーンはシンセ・エンジンと融合した進化したモジュレーションだと言えると思います。
例えば、ニーズはないかもしれませんが、ヴェロシティーでディレイ・エフェクトのフィードバックを制御する...などと言うことが出来ますので、その可能性は無限大のように感じます。
もちろん、すべてのエフェクト処理はPhase Plant内で行い、プリセットとして書き込むことができます。
驚異的なモジュレーション
Phase Plantのもう一つの大きな特長は、柔軟なモジュレーション・システムです。
モジュレーション・ソースを発生させることができるものであれば、モジュレーションを受信することができるあらゆるパラメータを制御するために使用することができます。
ルーティングの設定は、該当するソースの隣にある「+」マークをクリックし、対応する行き先を選択することで簡単に行うことができます。
モジュレーションの深さは、小さな円形のインジケータをドラッグすることで設定でき、既存のルーティングの深さを調整するために、さらにモジュレーションソースを使用することができます。
オレンジはコントロールモジュレーション,グリーンはオーディオレート,イエローはモジュレーションスケーリングというように,きちんとした色分けがされています。
この機能を実現するために、Phase Plantのモジュレーション・セクションには、LFO、エンベロープ・ジェネレーター、ランダム・モジュレーター、MIDIモジュレーターをロードすることが可能です。
また、モジュレーション信号の結合、乗算、スケーリングのためのユーティリティも用意されています。
さらにPhase Plantのセットアップの柔軟性により、Generatorセクション内のものはすべて、オーディオ・レート・モジュールのソースとしても使用することが可能です。
これは音作りの可能性を大きく広げ、FM、AM、フェイズ・モジュレーション、リング・モジュレーションなどを設定することが可能です。
コンテンツバンク
Phase Plantは有料ですが追加プリセット、ウェーブテーブル、サンプル、LFOシェイプなどが用意されています。

- Astral Beings by Dash Glitch
- Bass Forge by Nasko
- Book of the Dead by Kill the Noise
- Cheat Code by Pegboard Nerds
- Hardwire by New Loops
- Headline by New Loops
- I'mmortal by Oddiction
- Impossible by Oddiction
- Microwave Proof by Camellia
- New London by New Loops
- On the Floor by AVT
- Polychrome by Andrew Huang
- Suspension by emptyvessel
- This Is Future Punk!!1!! by Agent Method
- Tremor by Arovane
など 様々な追加コンテンツが用意されているのも魅力だと思います。
MPEの表現力
Phase PlantはMPE(MIDI POLYPHONIC EXPRESSION)に対応ししています。
MPEを使えば、音程やベロシティだけでなく、ピッチや音圧、音色も細かくコントロールできるので、プリセット音源をこれまでにない表現力で演奏することができます。
生涯無料アップデート
これは、ちょっとビックリしたのですが、Kiloheartsのプラグインのライセンスを購入すると、今後すべてのアップデートが無料で提供されるようです。
Kiloheartsは、新しいバージョンが出ても無料!
もちろん、Kiloheartsのソフトウェアは、新機能やOSの互換性(すでにすべてM1ネイティブ)など、今後も改良を続けることがアナウンスされています。
まとめ
Phase Plantはクリーンなシングルウインドウのインターフェースで使いやすい一方、強力なシンセシスおよびサンプリング・ツールや充実したウェーブテーブルエディタを搭載、そして柔軟なモデュレーション・システム、さらにSnapinエフェクトはスタンドアロンで使用出来るなど非常に魅力的なシンセサイザーだと思います。
NEXT「Serum」と呼ばれているのもうなずける内容だと思います。
NEXT「Serum」と呼ばれているのもうなずける内容だと思います。
個人的には複雑なパッチを組むとちょっと乱雑な状態になるのと、内蔵シーケンサーが搭載されていないのが、今後の改題として要望したいところです。
システム要件
- オペレーティングシステム WindowsまたはMac(M1ネイティブ対応)
- CPU:2GHz以上
- メモリ:1GB以上
- ソフトウェア VST2、VST3、AAX、Audio Unitのいずれかのプラグイン規格に対応したDAW。
- 全てのプラグインフォーマットは64bitのみ。
デモ動画
→最新の動作環境はメーカーページをご覧ください