2023年
09月
20日 20:50
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BLEASS - SampleWiz 2 レビュー 伝説のキーボーディストJordan RudessとBLEASSが生んだ革命的なサンプラー&シンセ!手軽にサンプリングし、感情豊かに演奏できる最新技術を取り入れたプラグイン
BLEASS - SampleWiz 2 レビュー
BLEASS『SampleWiz 2』レビュー
Pluginboutiqueより製品をご提供を頂きましたのでレビューして行きたいと思います。
この場をお借りしてPluginboutique様並びに関係者様に感謝致します。
【はじめに】
音楽制作の世界において、サンプラーはアーティストやプロデューサーが独自のサウンドを作り出すための強力なツールとして知られています。
その中でも、BLEASS SampleWiz 2は特に注目を集めています。
このサンプラーは、クラシックなハードウェアサンプラーの直感的な使いやすさを継承しつつ、現代の技術を駆使して、よりクリエイティブなサウンドデザインを可能にしています。
この記事では、BLEASS SampleWiz 2の特徴やその魅力について探っていきます。
【BLEASS SampleWiz 2とは?】
BLEASS SampleWiz 2は、BLEASSが昨年リリースしたiOS向けのサンプラー・アプリとAUv3プラグインです。
このアプリとプラグインは、世界的に有名なキーボーディスト、Jordan Rudessとの提携で開発されました。
Jordan Rudessは、SampleWizの最初のバージョンの頭脳として知られています。
このサンプラーは、KontaktやHALionのような大規模なサンプリングツールとは異なり、SampleWiz 2のパッチは単一のサンプルから構築されます。
このため、プラグインを使用してサウンドを作成することは、詳細なマルチサンプル楽器を作成する際の緻密な技術的プロセスよりも、楽しいクリエイティブなプロセスになるよう設計されています。
サウンドを取得からオリジナルで完全に演奏可能なインストルメントパッチを作るまで、短時間で、ステップを踏むことができます。
以前はiOS版しかありませんでしたが、BLEASSはこのクリエイティブに焦点を当てたサンプラーを、デスクトップベースのホスト用のプラグインとしてもリリースしました。
これにより、さまざまなプラットフォームでの音楽制作がさらに容易になりました。
【性能と評価】
再生エンジン(オシレーター)
SampleWiz 2の中心となるサンプルは、ノーマル、グラニュラー、またはクラウドの3つの再生エンジンのいずれかを使用して処理されます。
ノーマル・エンジンは、ピッチ調整や基本的なループ機能を持つ一般的なサンプラーとしての役割を果たします。
グラニュラーモードでは、ソースサンプルから短いセグメント(粒子)が取り出され、必要なノートにピッチシフトされます。
クラウド再生エンジンは、グラニュラと同じ概念を使用していますが、ソースサンプル全体での再生の進行方法に違いがあります。
シンセサイザー機能
SampleWiz 2は、オーバードライブプロセッサ、フィルター、ADSRエンベロープ、LFO等のモジュレーション機能、ディレイ、リバーブエフェクトなどFXなどシンセサイザーとしての機能が提供されています。
FILTER/ADSRタブをクリックすると
前段にオーバードライブが用意されており、次のフィルターはローパス・フィルター、ハイパス・フィルター、バンドパス・フィルター、ノッチ・フィルターの4種類が用意されています。
現在のフィルター設定はFILTER GRAPHに表示されており、タップ/クリックしたまま左右にドラッグして、フィルターのカットオフ周波数を調整し、上下にタップ/クリックするとフィルターのレゾナンスを調整できるようになっています。
ADSRエンベロープフェーダーはアンプ用とフィルター用が用意されており、エンベロープのアタックタイム、ディケイタイム、サスティーンレベル、リリースタイムを視覚的に直感的に設定できます。
ヴェロシティーの設定もそれぞれ可能となっています。
ヴェロシティーの設定もそれぞれ可能となっています。
モジュレーション機能
その他にもこのプラグインには、2つのLFO、3つ目のADSRエンベロープ、
およびモーションシーケンサーが搭載されています。
これらのモジュレーション・ソースは、任意のシンセパラメータにマッピングすることができます。
また、FXとしてディレイとリバーブ・プロセッサーが搭載されており、 最終段でサウンドに磨きをかけることができるようになっています。
このようにBLEASS SampleWiz 2は、古典的なハードウェアサンプラーのワークフローと、現代のサンプル技術の最もクリエイティブで表現豊かな側面を組み合わせることに成功していると思います。
【iOS版との違い】
BLEASS SampleWiz 2のデスクトップ版は、オリジナルのiOS/iPadOS版に非常に近いものですが、いくつかの重要な違いがあります。
レコーディング機能
iOS版の最大の特徴の一つは、デバイスの内蔵マイクから直接サンプルをレコーディングできることです。
これは、外出先でのサウンドの収録や即興のレコーディングに非常に便利です。
タッチスクリーンの利用
iOS版はタッチスクリーンのインタラクションを最大限に活用しています。
例えば、オンスクリーンキーボードはMPEスライドやプレッシャーメッセージを生成することができ、Glideモードでは、キー上で指をスライドさせることで音のピッチをスムーズに調整することができます。
さらに、サンプルの波形の視覚化は、ノートのトリガーやピッチの変更、グラニュラー/クラウド再生位置の変更など、パフォーマンスコントローラとして使用することができます。
ファイルの共有
SampleWiz 2のパッチファイル形式は、iOS版とデスクトップ版の両方で同じであり、iCloudやAirDropを使用して簡単に共有することができます。
これにより、iPhoneでサンプリングしてから、さらなるエディットのためにデスクトップにサウンドを転送することができます。
【まとめ】
BLEASS SampleWiz 2は、古典的なハードウェアサンプラーの直感的なワークフローと、現代のサンプリング技術のクリエイティブな側面を組み合わせたサンプラーという印象です。
そのシンプルさとパワフルな機能性は、音楽制作のプロセスをより楽しく、効率的にすると思います。
特に、サンプルの再生エンジンやシンセサイザーエディット機能は、ユーザーが独自のサウンドを迅速に作成するのに役立ちます。
また、iOS版とデスクトップ版の間の連携もスムーズで、さまざまなデバイス間での作業が容易になっています。
このサンプラーは、音楽制作の新しい可能性を開くツールとして、多くのミュージシャンやプロデューサーにとって価値ある投資となると思います。