AKG Elle C

AKG Elle C
AKG Elle C希望小売価格39,900円
■■■AKG Elle C機材情報■■■
AKG Elle Cは女性用と銘打って発売された
ハンドヘルド型コンデンサー・マイク、
AKG Elle Cのようなハンドヘルド型コンデンサー・マイクは
各メーカーからリリースされていますがこのAKG Elle Cは
老舗メーカーの製品だけに期待が持てます。
通常AKG Elle Cのようなマイクは、
PAでの使用を想定していると思います。
PAの現場では、やはりSHURE SM58のような
ダイナミック型が主流ですが、最近はコンデンサー型を
使う機会も増えてきました。
しかし、コンデンサー・マイクはマイク自体の性能に問題が無くても
ボーカリストとの相性の差が顕著に表れ、
相性が合えば、ダイナミック型とは比べようもないくらいの
すばらしサウンドを奏でてくれるのですが
あわない場合は、かえってクセが強調され
ハウリングも起きやすくなってしまいます。
しかし、AKG Elle Cは今までのコンデンサー・マイクとは
ひと味違うサウンドを出すことができました。
それでは、AKG Elle Cを細かく見ていきたいと思います。
AKG Elle Cの使用を見てみると
まず、目につく物は、着脱可能なPB1000という
プレゼンス・ブースト・アダプターがカプセルに装着されている点です。
これを付けると、5~9kHzが5dBブーストされて収音できるという仕組みです。
AKG Elle Cのカタログスペックでは
PB1000装着時には、低域の特性は変わりなく、7kHzをピークに
その周辺がブーストされ、逆に11kHz付近から上の帯域は非装着時にくらべ、
落ち込んでいる特性です。
指向性をカプセルで切り替えか可能なタイプは見たことがありますが
このような仕様のマイクは初めてでどのような効果が得られるのか楽しみです。
実際にAKG Elle Cを女性ボーカルで試してみました。
PB1000は装着して使用しました。
第一印象は、クリアで伸びのあるサウンド、ヴォーカル単体で聴いた時は
線が細く、バンドに埋もれてしまうのではないかと思いましたが
実際にバンド演奏で歌った際には、そのようなことは全くなく
明瞭で、前に出るサウンドでした。
ハンドヘルド型コンデンサー・マイクによくある
高域が出すぎて、耳に痛かったり、そのあたりが
ハウリングを起こすようなことはなく
安心して、フェーダーを上げることができました。
また、AKG Elle Cはフェーダーを上げていっても
音質が変わるような事がなく、現場ではありがたい特性です。
次にAKG Elle CをPB1000未装着の状態で使用してみました。
印象は変わり、PB1000未装着はフラット印象で、装着時よりも
さらに高い帯域(10kHz)に少しだけピークがある印象
クセがあるほどではありません。
このように、装着/未装着という選択肢があるのは便利だと思いました。
無理にEQで調整する前に、まずこのPB1000で調整すると
さまざまな面で、弊害が少なくよい方法だと思います。
さらにAKG Elle Cを男性ボーカルでも試してみましたが
まったく、問題ありませんでした。
女性向けと言われている製品ですが、男性ボーカルも声を自然に拾ってくれて
男声/女声にかかわらず使用できるコンデンサー・マイクといえます。
また、エンジニア側から見てもハウリングが少なく
特定の帯域にピークが無く非常に扱いやすいマイクという印象です。
■■■AKG Elle Cスペック■■■
■指向性:単一
■周波数特性:60Hz~20kHz
■感度:4mv/Pa(-48dBV)
■最大SPL:140/145dB@1%/3%THD
■出力インピーダンス:200Ω
■外形寸法:34(φ)×185(H)mm
■重量:260g
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