2022年
09月
25日 22:58
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BEHRINGER TD-3 レビュー VCO、VCF、VAC などのアナログ回路を採用し、16ステップシーケンサーを搭載した、1982年発売のRoland TB-303のクローンモデル
BEHRINGER TD-3は1982年発売のRoland TB-303のクローンモデル
Roland TB-303はベース音源に特化したモデルで、シーケンサーも内蔵していて短いながらループを本体に記録して演奏させることが出来ました。
同時期に発売されていたTR-606を同じデザインで、2台を同期させて演奏させることによりベースとロズムを演奏させることが出来ました。
現在に比べればシンプルな演奏しか出来ませんでしたのでセールス的にはあまり成功した製品ではありませんでした。
このTB-303が注目を浴びたのは1980年代後半!
同時期に発売されていたTR-606を同じデザインで、2台を同期させて演奏させることによりベースとロズムを演奏させることが出来ました。
現在に比べればシンプルな演奏しか出来ませんでしたのでセールス的にはあまり成功した製品ではありませんでした。
このTB-303が注目を浴びたのは1980年代後半!
すでに製品は生産完了していて、中古市場もそれほど人気がなく安く売買されていたTB-303をシカゴのハウス系のクリエーターが使用。
その独特のグルーヴ感と突き刺さるような音色が再評価され、TB-303のベースを取り入れた「アシッド・ハウス」というジャンルが確立されるまでになりました。
その後、中古市場が異常に高騰し人気となりましたが、本家Rolandは復刻するわけでもなく、同じコンセプトの製品を出すこともなく。
その後、中古市場が異常に高騰し人気となりましたが、本家Rolandは復刻するわけでもなく、同じコンセプトの製品を出すこともなく。
そうしている間に1990年中盤ごろにNovation Bass Station、Doepfer MS-404などのクローン的な製品やRolandもビジュアル的に似ているが中身は別物のMC303等が発売されましたが、TB-303のような音色、グルーブ感を再現するまでには至っていなかったと思います。
そしてBEHRINGERからTD-3が発売されました。
VCO、VCF、VAC などのアナログ回路を採用し、16ステップシーケンサーを搭載。
そしてBEHRINGERからTD-3が発売されました。
VCO、VCF、VAC などのアナログ回路を採用し、16ステップシーケンサーを搭載。
ベースシンセサイザーの核であるシンセ回路はオリジナルを忠実に再現されています。
アナログ回路ですのでマニュアルの注意書きにも、お使い頂く前に15分以上のウォームアップ時間を取るよう記載されていますし、ノートAで220Hzのチューニングの仕方が説明されています。
アナログ回路ですのでマニュアルの注意書きにも、お使い頂く前に15分以上のウォームアップ時間を取るよう記載されていますし、ノートAで220Hzのチューニングの仕方が説明されています。
見た目音色とも完全クローンモデルといっていいと思われます。
それではBEHRINGER TD-3の各セクションを見てみましょう
まずはサウンドを発振するボルテージコントロールオシレーター(VCO)を見てみます。
必要最低限のシンプルな構成で、VCOは1つ。
必要最低限のシンプルな構成で、VCOは1つ。
トランジスタ波形整形回路を備えたノコギリ波および矩形波の2つのWAVEFORMの選択とTUNINNGのみの構成です。
次は24dB/オクターブのルテージコントロールフィルター(VCF)
ローパス・フィルターを搭載しており、カットオフ周波数(CUTOFF)と、カットオフ周波数周辺の信号レベルを強調するレゾナンス(RESONANCE)で調整します。
TD-3の特徴はこのVCFの鋭いCUTOFFとRESONANCEのサウンドキャラクターによるものが大きく、ここの調整でサウンドが大きく変化します。
ローパス・フィルターを搭載しており、カットオフ周波数(CUTOFF)と、カットオフ周波数周辺の信号レベルを強調するレゾナンス(RESONANCE)で調整します。
TD-3の特徴はこのVCFの鋭いCUTOFFとRESONANCEのサウンドキャラクターによるものが大きく、ここの調整でサウンドが大きく変化します。
ここがBEHRINGER TD-3の出音の特徴になっていると思います。
RESONANCEの隣にあるエンベロープ・ジェネレーター(ENVELOPE)はVCAではなく、VCFカットオフに適用されるものでつまみでモジュレーションの深さを調整、その隣のDECAYでENVELOPEの減衰を調整します。
VCFセクションの隣のACCENTはシーケンスパターン内のACCENTが適用されたノートだけに作用し、ACCENTの量を指定出来ます。
このACCENTはSLIDEと組み合わせてベース特有の演奏を再現するための昨日で、あくまでシーケンサーの出力に対する動作ですので、一般的なVCAに作用するベロシティによる効果とは異なります。
BEHRINGER TD-3のVCAセクションは至ってシンプルでボリューム(音量)調整のみ、後に続くディストーションセクションに信号が送られます。
DISTORTIONはオリジナルモデルのTB-303にはなかった機能でTD-3 独自の機能です。
DISTORTIOスイッチをオンにすることで効果を得ることが出来ます。
DRIVEでDISTORTIONの量を調整、TONEで音色のキャラクターを変化させることが出来ます。
DISTORTIOスイッチをオンにすることで効果を得ることが出来ます。
DRIVEでDISTORTIONの量を調整、TONEで音色のキャラクターを変化させることが出来ます。
そしてレベルでDISTORTIONの出力レベルを調整することが出来ます。
一部のギターエフェクター用のDISTORTIONの用にパラメータの設定では音を破壊してしまうほどの過激さはありませんが、ベース用に上手くチューニングされてちょっと過激なベース音を作るときには役に立ちそうです。
また、BEHRINGER TD-3にはシンプルですがアナログシンセのパッチベイ機能が搭載されています。

一部のギターエフェクター用のDISTORTIONの用にパラメータの設定では音を破壊してしまうほどの過激さはありませんが、ベース用に上手くチューニングされてちょっと過激なベース音を作るときには役に立ちそうです。
また、BEHRINGER TD-3にはシンプルですがアナログシンセのパッチベイ機能が搭載されています。

パッチベイは3.5mmTS端子で、別ユニットやモジュラー式のシンセサイザーと接続したしして活用できます。
・FILTER INはCUTOFFのパラメータを制御
モジュラーシンセ等からLFOを入力すれば本体機能にはないLFOモジュレーションをかける事が出来ます。
・SYNC INは外部クロックとシーケンスのSTAR/STOP信号を入力して同期する際に使用します。
SYNC OUTのある機器(最近ではKORG Volcaシリーズなど)と接続することによりTD-3を同期させることが出来ます。
SYNCソースの選択はFunctionボタンを押し、BACKボタンとWRITE/NEXTボタンを同時に押すとSYNC設定モードに入ります。
1~4のノートボタンを押して、クロックの対象(内部クロック、MIDI、USB、TRIG)を選択。
さらに5~8のノートボタンを押して、クロックレートを選択します。
・CV OUT/GATE OUTは1V9octのCV信号とGATE信号を出力して、外部のCV/GATE入力のあるシンセ音源をTD-3をシーケンサーとして発音させることが出来ます。
・PHONE(ヘッドホン出力)は3.5mmTRS端子です。
BEHRINGER TD-3音源部の概要は以上のとおり、オリジナル同様必要最小限のパラメータで数多くの音色バリエーションを出せる非常に考えられた設計になっている印象です。
次はBEHRINGER TD-3のシーケンサー部を見ていきたいと思います。
次はBEHRINGER TD-3のシーケンサー部を見ていきたいと思います。
BEHRINGER TD-3のシーケンサー部は7トラック
最大16ステップパターンはI、II、III、IVの4つのパターングループがあり
各パターングループに8個のAパターンと、8個のBパターン持っていて記録、保存、呼び出しできます。
13鍵のキーボードレイアウトのスイッチを搭載しRoland系のGrooveシンセでおなじみの、初めてお使いの方にはちょっと操作しにくい(?)、入力、操作方法を持っています。
やはりオリジナル同様にSLIDE/ACCENTを加えた際の個性的なシーケンスが重要な部分ではないかと思います。
やはりオリジナル同様にSLIDE/ACCENTを加えた際の個性的なシーケンスが重要な部分ではないかと思います。
オリジナルのTB-303はSLIDE/ACCENTとも音源部に直接変調をかける、ポルタメントやヴェロシティーと違い、シーケンスに独特の効果を与えるもので下が、このTD-3もそれが忠実に再現されていて、この独特なねじれた演奏がTB-303同様、このBEHRINGER TD-3でも最大の特徴になっていると思います。
ですが、打ち込みはやはりやりづらいですので、BEHRINGERのサイトから「SYNTH TOOL」という専用のソフトウエアがダウンロード出来ますので、そちらで打ち込んだ方が少しは効率が良くなると思います。
また、このTD-3にはアルペジエイター的なランダムにパターンを自動育成する機能があり、
ですが、打ち込みはやはりやりづらいですので、BEHRINGERのサイトから「SYNTH TOOL」という専用のソフトウエアがダウンロード出来ますので、そちらで打ち込んだ方が少しは効率が良くなると思います。
また、このTD-3にはアルペジエイター的なランダムにパターンを自動育成する機能があり、
様々に育成されるランダムなパターンから気に入ったものを選ぶのいいでしょう。
TB-303は長い歴史の中で膨大なパターンがweb上に公開されています。
↓有名なwebはこちら↓
https://www.acidvoice.com/tb_303_famous_patterns.php
または「TB-303 pattern chart」 検索してみて下さい。
TB-303は長い歴史の中で膨大なパターンがweb上に公開されています。
↓有名なwebはこちら↓
https://www.acidvoice.com/tb_303_famous_patterns.php
または「TB-303 pattern chart」 検索してみて下さい。

BEHRINGER TD-3の背面にはTS出力端子の音声OUTPUT端子、MIDI IN端子、MIDI OUT/THRU端子、USBポート、付属の9VACアダプターを接続するDC INPPUTがあります。
USBポートはUSB Bタイプ端子で
・Generalオプションの変更。
・シーケンスの編集(読み出し、編集、保存、出力可能)
・ポリチェーン設定
・キャリブレーション
・ファームウェアアップデート
が行えます。
5色(シルバー、ブラック、レッド、ブルー、イエロー)のカラーバリエーション
本家TB-303の機能に、現在のニーズに答えるべくDISTORTIONエフェクトやUSB、MIDI端子を装備したものが激安の約16000円で買えるというのには驚きです。
■■■BEHRINGER TD-3仕様■■■
・同時発音数:モノフォニック
・タイプ:アナログ
・オシレーター数:1
・VCF :1ローパス
・エンベロープ:1
・MIDI:MIDI In / Thru (各×1、5ピンDIN)
・USB:(MIDI)USB 2.0、タイプB
・ヘッドホン出力:3.5mmステレオミニジャック×1
・ライン出力:1/4インチ TRS×1
・CV出力:+ 1V+ 5V(1ボルト/ oct)
・3.5 mmTS入力:Filter in: +12 dBu、Sync in: 2.5V以上
・3.5 mmTS出力:CV out:+1V to +5V (1 volt/oct)、Gate out:OFF: 0 V;ON: +12V
・サポートOS:Windows 7以降、Mac OS X 10.6.8以降
・外部電源アダプター:9V DC670 mA(付属のアダプターを使用)
・最大消費電力:2 W
・寸法:(高さx幅x奥行き)56 x305 x 165 mm
・質量:0.8 kg
・付属品:電源アダプター
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